以前は打者の打撃側の転向について書きました。
今回はピッチャーの
オーバースローもしくはスリークオーターからサイドスローやアンダースローへの転向
について。
小さい子供が初めてキャッチボールをするときは、みなオーバースローで投げると思います。
これは一緒にキャッチボールをする相手の投げ方を見て学んだり、教えてもらってそう投げるということもあると思いますが、上から(オーバースロー)投げる形が人間にとって一番無理なく効率よく投げられる投げ方なので本能的にそうしている部分も大きいと思います。
投げ方の発達について(日本体育協会HP)
ピッチャーとしてのパフォーマンスを考えても、一部の特殊な選手を除き、オーバースローもしくはスリークオーターが最も球速が出やすくコントロールもつきやすい投げ方であり、アンダースローは球速が出にくいのが一般的ですね。
つまり、身体が生み出した力をボールに伝えるという意味ではアンダースローは効率的ではないということになります。
(ある研究ではスリークオーターが最も球速が出やすいという結果もあります)
では、なぜ球速が出にくくなるにも関わらず、リリースポイントを下げオーバースローからサイドスローやアンダースローへ転向するのかというと、答えは一つで「打者を打ち取るため」ということに尽きます。
つまり、オーバースローやスリークオーターでいくら速いボールを投げてもバッターにヒットにされてはピッチャーとして結果は残せないので、リリースポイントを下げて横方向の角度をつけられる投げ方に転向することで打ち取れる可能性を探っていくということです。一部の変化球はサイドスローやアンダースローの方が投げやすく変化も大きくなるようで、その面もメリットとなります。
また身体機能の面からみていくと、
股関節や体幹の柔軟性と筋力の関係から「身体の使い方が横回転に適している」場合、オーバースローよりサイドスローの方がパフォーマンスが高くなることもあります。
こういった選手は本人はオーバースローで投げているつもりでも実際はスリークオーターであったり、思ったより肘が上がっていない選手が多いようです。
そういう選手の場合は無理にオーバースローで投げるよりもサイドスローで投げた方がパフォーマンスも高くケガもしにくくなります。
このようにサイドスローやアンダースローの方がオーバースローやスリークオーターよりスムーズに腕が振れる投手はいますが、腕を下げたフォームは股関節を中心とした全身的な柔軟性と強靭な下半身の筋力が必要になりますので、フォーム改造を考える場合はそういったところも踏まえて考えていく必要があります。
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伊藤孝信
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