「肩の開きが早い」
「もっと開かないように」
肩ではなく身体の開きと表現する人もいます。
バッティングでもよく聞くワードですが、今回はピッチングフォームにおいての「肩の開き」について。
「肩の開き」は良くないものとして指摘され改善するように指導されることがほとんどだと思います。
ではなぜ肩が開くことが良くないことなのか。
まず、肩の開きというのは
『ステップ足が地面に着地するより前に非投球側(右投げの場合は左)の肩を含めた上部体幹(みぞおちより上の上半身)が非投球側へ回旋運動を始めている状態』
という定義をしています。
これは私の勝手な定義です。
その状態が起こるとなぜいけないかというと、結果から言えば
1.肩や肘への負担が大きくなることが多い
2.球速が上がりにくい
3.抜け球が多くなりやすい
4.変化球のコントロールがつきにくい
このようなデメリットが挙げられるからです。
それぞれ説明していきます。
1.肩肘への負担が増える
投手はセットポジションでもワインドアップでも非投球側の脚を上げ体重移動をしながらテイクバックを行いトップまで持ってくるのですが、このトップはステップ足が地面に着地するタイミングで作られます。
ですのでこのタイミングまでは上部体幹の回旋を抑えテイクバックをスムーズに行う必要があるのですが、テイクバックを行っている最中に上部体幹の回旋が始まってしまうとスムーズにトップが作れなくなり、肘が上がり切らなかったり背中側に入り過ぎたりしてトップが遅れてしまうリスクが高くなります。
トップが遅れると、肩関節(肩甲上腕関節)は水平伸展位となりやすく、肩関節前方には牽引ストレスがかかり肩関節後方には圧迫ストレス(インピンジ)がかかります。
またその状態での肩関節外旋(しなり)は腱板や上方肩関節唇に過度な負担となります。
肘関節は肩関節が最大外旋するタイミング付近で外反ストレスが最もかかるのですが、トップが遅れラギングバックが上手く行えないと胸郭や肩甲骨を最大外旋に十分に動員させることが出来ずに過度な外反ストレスがかかることになります。
ステップ足が着地するまで上部体幹の回旋を抑えトップをスムーズに作ることが出来ればその後のフォームもスムーズに行えるため肩や肘への負担は少なくなります。
2.球速が上がりにくい
投球のためにステップ足を上げ体重移動を行っていく段階では骨盤の正面はホームベースよりはセンター方向を向いていますが、ステップ足が着地したタイミングでは骨盤は回旋を始め、ややホームベース方向を向き始めています。
このタイミングで上部体幹が回旋をし始めてしまっているということは骨盤と同じ方向を向いているという形になり、体幹での捻じれ(捻転)が作れません。この捻じれは速いボールを投げるには必要不可欠であるため、肩が開いてしまうと球速は上がりにくくなります。
3.抜け球が多くなる
1.のような理由でトップが遅れるため、腕が遠回りしリリースポイントを適正な位置まで持ってきにくくなります。
4.変化球の制球がつかない
3.とほぼ同様。
3.と4.のような状態を無理矢理に手先でコントロールしようとしてもなかなか出来ませんし、そうしようとすることでさらに肩や肘への負担を増やすことになります。
以上です。
かなり大まかに書きましたが、肩が早く開くフォームの選手は早めに修正に取り組んでほしいと思います。
開かないようにと捻り過ぎると逆に回旋運動は早く起こり結果的に開いてしまいますし、「上部体幹が回旋し始めるタイミングを遅らせる」という形をとれるといいですね。
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