前回は『スポーツ選手の腰痛について【痛みが出る原因】』を書きましたが、今回は腰の次に悩んでいる選手が多いと思われる膝の痛みについて書こうと思います。
スポーツにおける膝の痛みで代表的なものには以下のものがあります。
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
オスグッド・シュラッター病
ランナーズニー(腸脛靭帯炎)
鵞足炎
これらのケガはオーバーユース(使い過ぎ)で起こることが多く、「ちょっと痛い」「違和感が…」程度の痛みのほとんどは上記のものだと思われます。
以下のものは捻ったりぶつかったりという衝撃で受傷することが多いケガです。
半月板損傷
前十字靭帯損傷
今回はオーバーユース(使い過ぎ)で起こることが多いケガを取り上げ、半月板損傷と前十字靭帯損傷は最後に簡単に書こうと思います。
まず、
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)は、大腿四頭筋の筋力を下腿に伝えるための膝蓋骨と脛骨を繋ぐ靭帯である膝蓋靭帯に炎症が起こるスポーツ障害です。靭帯そのものの炎症ですので、膝蓋骨の下が痛みます。ジャンプ動作が多いスポーツ選手に多いケガなのでジャンパー膝と呼ばれていますがあらゆるスポーツで起こります。
膝蓋靭帯は大腿四頭筋の腱であるため、大腿四頭筋との関連が非常に強く、大腿四頭筋の柔軟性が低い場合やオーバーユースにより痛みやすいです。
オスグッド・シュラッター病は、ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)の成長期版ともいえるスポーツ障害で痛む場所は膝蓋靭帯が付着する脛骨部のため少し異なりますが発症機序は同じです。原因は、筋肉の硬さです。大人には起こりません。
ランナーズニー(腸脛靭帯炎)は、股関節と臀部の筋肉である大腿筋膜張筋と大臀筋から始まり太ももの外側を通って脛骨外側までを繋ぐ腸脛靭帯が炎症を起こすケガで、膝の外側に痛みを生じます。マラソンランナーなど長距離を走る選手に起こりやすいためランナーズニーと呼ばれますが、どのスポーツでも起こります。
関連する筋肉である大腿筋膜張筋や大臀筋などの硬さがあると起こりやすいです。
また、足関節のアライメントも影響が大きく、歩行や走行時のフットコンタクト(踵接地時)に踵骨が回外(スピネーション)する選手はかなりリスクが高いといえます。
鵞足炎は、鵞足と呼ばれる膝の内側の部位(薄筋腱、縫工筋腱、半腱様筋腱の付着部)の炎症です。ランナーズニーと同様にランニング量の多い選手が起こしやすいスポーツ障害で、薄筋、縫工筋、半腱様筋のいずれか、もしくは複数の筋の硬さがあると起こりやすくなります。
鵞足炎はランニング時やプレー中に、つま先が外側を向いて膝が内側を向く状態(ニーイントーアウト)になってしまっている選手に起こりやすいです。これには足部のアライメントも関係し、扁平足(過回内足・オーバープロネーション)だとリスクが高いとされています。
これらのスポーツ障害は、それぞれにも書いたように「筋肉の硬さ」が主な原因となって発症します。
足部のアライメントやプレースタイルの特徴などが関連することも良くありますが、まずは直接的な繋がりのある筋肉の柔軟性を高めて、筋肉の付着部や靭帯に負担のかからないコンディションを作っておくことが大切になります。
日頃からストレッチを入念に行い、硬さを出さないように心がけましょう。
※扁平足(過回内足・オーバープロネーション)や回外足(スピネーション)、ニーイントーアウトが顕著である場合にはオーダーメイドでインソールを作成し対処することも効果的です。
半月板損傷や前十字靭帯損傷の多くは、着地時や切り返し動作時に捻ってしまったり相手とぶつかった際に捻って受傷してしまったりと事故的に発症することが多いですが、どちらもニーイントーアウトがあるとリスクが高いとされておりトレーニングやインソールなどで補正しておくことが大切になります。
半月板損傷や前十字靭帯損傷はアスリートの場合は競技復帰に向けて手術が選択されることが多くあります。最近ではリハビリをしっかり行えばほぼ競技復帰出来すケガですので諦めずにリハビリに取り組みましょう。
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伊藤孝信
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