スポーツのパフォーマンスを考える時、僕はよくピラミッドをイメージします。

一番上にあるのが、実際の競技パフォーマンス。

野球なら、投げる、打つ、走る。
サッカーなら、蹴る、切り返す、走る。
バスケットボールなら、ジャンプ、シュート、ドリブル。

その競技で必要になる能力です。
そして、その下にあるのが技術。

さらにその土台には、
筋力、パワー、スピード、柔軟性、身体をコントロールする能力

などのフィジカルがあります。

もちろん、実際のスポーツ能力をこんなに単純に分けられるわけではありません。
ただ、選手の成長を考える時には、このピラミッドのイメージがすごく分かりやすいと思っています。
土台が小さいと、その上にも限界がある
例えばスイングスピードを上げたい選手。

一生懸命素振りをする。
フォームを改善する。
タイミングを練習する。

もちろん、全部大切です。

でも、身体が生み出せる力そのものが小さければ、技術だけでスイングスピードを上げ続けることには限界があります。

切り返しでも同じです。

切り返しの足の運び方を練習する。
身体の向きを練習する。

でも、速く走ってきた身体を止めて、もう一度反対方向へ加速するための筋力が足りなければ、いくら技術を磨いても限界があります。

ピラミッドの土台が小さい状態で、上だけを高くしようとしている。

そんな状態になっている選手も少なくありません。
フィジカルは技術を発揮するための土台
スポーツでは技術が非常に重要です。

筋力が強ければ野球が上手くなるわけでもありません。
ジャンプ力が高ければバスケットボールが上手いわけでもありません。
足が速ければサッカーが上手いわけでもありません。

でも、高い技術を発揮するためには、それを支える身体能力が必要です。

例えば、頭では分かっていても身体がついてこない。

コーチから、
「もっと低く切り返せ」
「もっと速く振れ」
「もっと強く地面を押せ」

と言われても、その姿勢を支える筋力や、そのスピードを出すパワーが足りなければできません。

技術的には分かっている。
でも身体能力が足りなくて実現できない。

こういうケースは現場でもよくあります。
ある程度上手い選手ほどフィジカルが重要になることも
初心者のうちは、技術練習をするだけでもどんどん上手くなります。

フォームを覚える。
動きに慣れる。
タイミングを覚える。
それだけでもパフォーマンスは大きく変わります。

でも、ある程度競技が上手くなってくると、技術だけでは伸びにくくなる時期があります。

そこで、
筋力を上げる。
身体を大きくする。
パワーを高める。
スピードを上げる。
可動域を改善する。

こうしたフィジカルの土台を一段大きくすると、今までできなかった動きができるようになることがあります。

技術の伸びが止まったように見えて、実は身体能力の上限に当たっている。
そんなこともあります。
例えばスイングなら
スイングスピードを上げたい。
だから毎日素振りをする。

もちろん大切です。

ただ、それだけではなく、
下半身の筋力。
体幹の回旋パワー。
上半身の筋力。
前腕や手首の筋力。
メディシンボールスローなどでの爆発的な力発揮。

こういった部分を高めることで、スイングに使える身体能力そのものを大きくすることができます。

よく「スイングは下半身が大切」と言われます。
もちろんそうです。
でも、だからといって上半身や腕が必要ないわけではありません。

全身で作った力を最後にバットへ伝えるためには、体幹も上半身も腕も必要です。
身体全体の能力を高めることで、技術をさらに生かせるようになります。
一歩目や切り返しも同じ
一歩目が遅い選手なら、スタートダッシュを練習する。

それと同時に、
下半身の筋力を高める。
ジャンプ系のトレーニングをする。
反応を入れたジャンプをする。
素早く大きな力を出せる身体を作る。

切り返しが弱い選手なら、切り返し練習をするだけではなく、臀筋群を中心に下半身を強くする。
その動きを練習すると同時に、その動きに必要な身体を作る。

この考え方が大切です。
苦手な動きを繰り返すだけになっていないか
スポーツでは、

できないことがある

その動きを練習する

となりやすいと思います。
もちろん、それが間違いではありません。

でも、何か月も同じ練習をしているのに変わらないのであれば、
そもそもその動きを実現するためのフィジカルが足りているのか?
を一度考えてみてもいいと思います。

筋力が足りない。
パワーが足りない。
身体を支えられない。
必要な可動域がない。

そういった身体側の問題を改善した方が、結果として技術が早く伸びることもあります。
ピラミッドの土台を大きくする
技術練習は大切です。
競技練習も大切です。

でも、それだけではなく、

自分が使える身体能力そのものを大きくしていく。
筋力が上がれば、今までより大きな力を使える。
パワーが上がれば、その力を速く発揮できる。
スピードが上がれば、今までできなかったプレーができる。
身体をコントロールする能力が上がれば、その力を競技の中で使いやすくなる。

そうやって土台が大きくなると、その上に積み上げられる技術やパフォーマンスの可能性も広がります。

今ある能力を上手く使うのが技術練習。
そして、使える能力そのものを大きくするのがフィジカルトレーニング。

どちらか一方ではなく、両方を高めていく。
パフォーマンスをもっと上げたい選手は、今見えている課題だけではなく、
その下にあるピラミッドの土台にも目を向けてみてください。

土台を大きくすることで、選手としての伸び代ももっと大きくなると思います。